「言葉を絵に翻訳する仕事」イラストレーター講座を開きました

 絵を描くことが大好きなふじしろ図書館のYAサポーター(中高生ボランティア)の声を受け、読書週間中の2015年11月8日(日曜)に、ふじしろ図書館でイラストレーター講座を開催しました。講師は、現役のイラストレーター土井ラブ平さんと、土井さんの才能を見出したアートディレクター福島源之助さんのお二人。
 前半は、土井さんがイラストレーターとしてデビューするまでの道のりについて。小中学生の頃は、漫画が好きで、漫画雑誌に何度か投稿したこともあったそうです。高校生の時には美大受験のためにデッサンの練習を重ね、入学した多摩美術大学在籍中は、パソコンを模した鉄のオブジェの中でカイワレダイコンを育てる、といったイラストとは関係ない作品を作っていたそうです。

土井さん
自身のイラスト集を見せる土井さん
本
講師のお二人が手掛けた作品、子どもの頃に影響を受けた本

 デビューのきっかけとなったのが、福島さんとの出会いでした。大学卒業後のある日、土井さんは描きためたイラスト集を手に雑誌『AERA』『週刊朝日』などを手掛けている編集部を訪問します。その時に対応したのが福島さんでした。「『AERA』がどんな雑誌か知っていますか?」「土井さんのイラストがどんな記事に使えると思いますか?」など福島さんは質問したそうですが、独特なイラストが強く印象に残ったといいます。そして、後日連絡をとり、1999年5月10日号の『AERA』の記事のイラストレーターとして採用が決まり、デビューとなりました。
 雑誌記事に添えられるイラストは、イラストレーターと、雑誌を作っている側との複数回のメールのやり取りで完成するそうですが、「言葉(記事)を絵に翻訳する」のがイラストレーターの仕事だという言葉が印象的でした。

 後半は、ワークショップでした。出されたお題は「働くおじさん」。「いろんな職業があるけど、どんな仕事か、何歳くらいかが分かる絵だといいね。さらに、ちょっとおもしろいところがあるといいよ。自由に描いてみよう」というアドバイスを受け、描いてみました。

声かけ
「描けているかな〜」一人一人に声をかける福島さん。


描いた後は、参加者32人全員の絵をスクリーンに映してお二人がコメントしてくださいました。着ぐるみを頭だけ脱いだおじさん、名刺交換をするおじさんなど様々。会場から笑いが起こっていました。

講師
参加者の絵をスクリーンに映しながらコメントする講師のお二人。

土井さんイラスト
土井さんのイラスト。電車通勤中のおじさん。

福島さんイラスト
福島さんのイラスト。マグロの解体ショーのおじさん。

最後に土井さんから「美大を受験する時、デッサンの勉強を沢山したけれど、仕事をしながら学ぶことも沢山あるよ。沢山描くことが大事。」、福島さんからは「観察することも大切。例えばおじさんを描く時も、表情や髪形など小さな違いで変わるよ。楽しみながら描けたらいいね。」とアドバイスをいただきました。

説明
後援の朝日新聞水戸総局・武山総局長からも、新聞社で働くイラストレーターもいることを教わりました。

イラスト紹介
新聞のイラストを紹介する武山総局長


参加のみなさんからの感想
  • イラストレーターの人でも種類がある事を初めて知りました!おじさんを皆考えて描いて見せ合うのはとても楽しかったです!また、イラストレーターの講座があれば受けたいです!
  • ためになる話が聞けてとても楽しかったです。また、参加してみたいです。
  • 皆の働くおじさん、おばさんのイラストを見ていると個性が様々で面白かったです。
  • イラストをいつもどのように現役のイラストレーターの方は描いているのか分かって参考になった。
  • イラストレーターについて色々知れたのでとても良かったです。イラストレーターの楽しさが知れるような気がしました。
  • イラストレーターはもらったお題を絵にする仕事だとわかった。実際にやってみると意外に難しかったです。
  • 画家や作家との違いを楽しく学習できました。趣味で漫画を描いているのですが、今回の講演会はとても勉強になりました。次もあるならまた来たいです。
  • 自分は趣味として描いているので絵を描く時の参考になる事を学びました。
  • 漠然としたテーマの中で絵を描くのは難しかったけど、友だちと話したりしながら楽しく描くことができました。
  • まず、非常に勉強になったと思います。言葉を絵に翻訳するという考え方が分かりやすいと思いました。あと、テーマに対する自由な解釈、発想がイラストは大切だと思いました。色んな絵も見ることができて良かったと思います。楽しかったです。
  • 本職のイラストレーターさんに会え、発想や画力の面で吸収できる部分もあってとてもためになりました。私もイラストレーターになるために、これからも流星のように突き進んでいこうと改めて思いました。ここに来られてうれしかったし幸福でした。土井さんや皆さま、図書館の方々に本当に感謝しています。ありがとうございました。
  • 先生方のお話を聞いたり、絵を描いてみたりして、色々な描き方があるのだなあととても勉強になりました。これからも楽しく絵を描いていきたいと思います。
  • 楽しかった。またやりたい。次が気になる。
  • 現職の方のお話が聞ける貴重な時間でした。おじさんは描いた事がなかったので、良い体験になりました。

  • 今回の講座は、企画や、受付、会場整理をふじしろ図書館のYAサポーターと共に行いました。活動に関心のある方はお気軽に図書館までご連絡を。週に1回、土曜日または日曜日の午前中に活動しています。11月、12月は新春に貸出する福BOOKのおまけ作りを、12月末には小学校の放課後子どもクラブにておはなし会をする予定です。
     さらに、ふじしろ図書館1階のティーンズコーナーで12月まで「働くおじさん」のイラスト募集中です。みなさん、描きに来てください!

    【開催情報】
    日時 2015年11月8日(日曜)午前10時30分〜正午 ※秋の読書週間中
    場所 ふじしろ図書館 2階集会室
    (取手市藤代415・JR常磐線藤代駅北口から徒歩10分)
    参加者 市内在住の中学生・高校生32名
    土井ラブ平さんの
    プロフィール
    1973年東京都出身。多摩美術大学卒業。
    『精神科医が読み解く名作の中の病』(岩波明著・新潮社)や
    雑誌『AERA』などのイラストを多数担当。著書に
    『ぐるっと東京デートガイド』(アスペクト)、
    漫画『どうしようもない日々』(KCデラックス)がある。
    福島源之助さんの
    プロフィール
    デザイン事務所フロッグキングスタジオ所属。
    本『おいしい資本主義』(近藤康太郎著・河出書房新社)の
    装丁(デザイン)他多数で活躍。
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